コンベンション等での講習について

コンベンションが終わった後に出すのもなんですが、今回自分の講習で気をつけていた事などを思い返して。
私自身は話の上手い人間ではないし、講習も上手なほうではないと考えてはいますが、数だけはそれなりにこなしているので、経験上使えそうな事をまとめておきます。

・教えるのには4~5倍くらいの時間がかかる。
たとえば50分教室なら、自分が10~15分くらいで折れるものがよい。110分教室なら自分で30分くらいまでかな。
講習が時間内に終わらないという状況は避けたいので、多少時間に余裕をみておいた方が良いように思います。
また、残り時間は常に確認しながら進めます。手元に見やすい時計を用意しておくと良いでしょう。私の場合は今年ついに鉄道時計を導入しました。

・作品に関するコネタを用意しておく。
時間が余った時とか、繰り返しの工程などでゆっくり折る人がいて手持ち無沙汰な人が多そうな時に、創作時の話や、題材についてなどの作品に関連した話をしておくと、空き時間が埋まってるように感じる……と思う。
折り図では解説されない話はある意味貴重なので、余裕があればいろいろ話しておくと付加価値になるかもしれません。

・難しい工程は教室を回って直接確認を。
ある程度時間に余裕がある時には意識的にやっています。ちゃんと折れているかの確認はもちろん、講習が丁寧な感じになる(多分)のと、上記のコネタと合わせて時間調整ができます。

・簡単な時間配分をしておく。
講習スピードのコントロールのため、ある程度時間配分を予測しておくと良いです。
たとえば50分講習の場合は、最初の15分で折り線をつけて、次の15分で基本形を畳んで、15分で仕上げ、のこりの5分は予備というような感じ。
実際にかかった時間と比べる事で、教室終了までの調整がしやすいはずです。

・拡大図用の実物を用意しておく。
手順が決まっている時限定。仕上げの段階で細かく折る場合、35cmの紙を使っても小さくなってしまうので、一部分のみを大きく折ったものを用意して使うとよいでしょう。

・折れない人を探す。
折れる人は、ちゃんと説明さえすれば勝手に折ってくれるので放置。代わりに講習スピードのボトルネックとなる折れない人に時間を割くようにします。
すこし不公平なような気もしますが、講習の進行を優先させます。折れる人に対しては、仕上げのコツやアレンジ方法などがあれば、それで埋め合わせができればベストです。
なお、本当に折れなくてどうしようもなさそうな人には、大変申し訳ないけれど諦めてもらいましょう。

・簡易仕上げバージョンを用意しておく。
受講者の平均レベルや読み違いなど、どうしても時間が足りなそうな時に、どうにか終えるための最終手段。
たとえば動物の脚などを簡単な中わり折りやつまむだけですませたり、細かい仕上げを省略することで、時間内に終わるように調整します。「仕上げは各自研究して下さい」などのポジティブな言い訳も併用するとよりうまくごまかせます。

以上。書き出してみると、時間内に終えるための話ばかりになりました。
最後に付け加えると、なんだかんだいっても一番頼りになるのは経験です。コンベンションでの講習はあくまでボランティアとして行うものなので、特に若い人であればある程度までなら失敗が許される面があります。受講者に対しては実験台として感謝しつつ、経験を積ませてさせていただくという謙虚な気持ちで、ぜひ挑戦してみて下さい。

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